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2025/11/07中学1年生から始める高校合格への道②:都立高校を第1志望とする方へ~都立高校の入試の仕組み~

みなさんこんにちは。
彩希塾の中村です。
今回は、都立高校を第1志望とする方へ、都立高校の入試の仕組みを説明させていただきます。東京都の高校進学では依然として都立高校への進学の方が多く、2025年度は2万8000人を超える方が受験しています。このページを閲覧いただいている皆様も、高校入試は都立高校をイメージされる方が多くいらっしゃると思います。何となく、「私立単願」や「併願優遇」、「換算内申」や「都立推薦」など、言葉のイメージを漠然と持たれているのではないでしょうか。本記事では、都立高校の入試の仕組みについて、詳しく説明させていただきます。是非この記事をお読みになって、これから先のお子様の進路選択にお役立ていただけたらと思います。なお、私立高校や国立高校につきましては、後日別の記事にて掲載させていただきます。お早めに知りたい方は、ぜひ彩希塾までお問い合わせください。
1.都立高校について
都立高校は全校において、「推薦入試」、「一般入試(分割前期入試、第1次募集)」「分割後期入試(第2次募集)」という3回の受験機会があります。いずれも、自分が入学したい学校を1校だけ選び、その高校で入試を受け、万一、不合格の場合は他の都立高校には行くことはできない「単独選抜」の方法をとっております。つまり、1回の受験機会につき、1校しか受験することはできません。
なお、「推薦入試」と「一般入試」「後期入試」では日程が異なるため、違う学校を志望することは可能です。
2.推薦入試
推薦入試は全日制高校全校で実施されております。募集は、①一般推薦②文化・スポーツ等特別推薦③理数等特別推薦の募集に分けられます。いずれも学力検査は行いません。全員が個人面接(高校によっては集団討論)を受けます。また,作文または小論文,実技検査などから1つ以上の検査も課せられます。文化・スポーツ等特別推薦では実技検査を実施する学校が多くなっています。理数等特別推薦では出願時に提出する「科学分野等の研究に関するレポート」についての口頭試問が行われます。
各校は,調査書,個人面接,作文や小論文などの結果を点数化し,その合計点(これを「総合成績」といいます)の高い者から順に合格者を決めていきますが,総合成績に占める調査書の満点が何点かは、学校ごとによって異なりますが、その割合は総合成績の50%までと制限されています。
調査書点は「観点別学習状況の評価」か「5段階の評定」のどちらかを点数化します。2025年度入試では,エンカレッジスクール,ビジネスコミュニケーション科の高校の7校が「観点別学習状況の評価」を調査書点として活用しています。これらの7校以外は,5段階の評定を使っているので,調査書点は評定が使われると考えていいでしょう。
また、自己PRカードは全員が提出しますが点数化はされません。選抜資料として総合的に活用されます。
2-1.推薦入試を受ける際の注意点
・合格率が高くない
推薦入学希望者は増加傾向にあり、当然倍率も一般入試よりも高く、3倍を超える倍率も珍しくありません。推薦入試で合格することを目標とせずに、一般入試に向けた、学力検査用の勉強を並行して進めておく必要があります。
・合格しても、勉強は必ず続ける必要がある
推薦入学をした場合、一般入試に向けて学習を継続していた一般入学者との学力差が激しく、苦労する生徒様が多い傾向にあります。また、中学生の頃に学んだ内容は身についているものとして高校の授業は進められるので、推薦合格した場合でも継続した学習が必要となります。
2-2.一般推薦
上記にもありますように、都立高校の推薦入試では「観点別学習状況の評価」か「5段階の評定」を調査書点とし、個人面接や作文又は小論文などの結果を点数化し、総合的に判断されます。
こちらでは、「観点別学習状況の評価」、「5段階の評定」、「個人面接」、「集団討論」、「作文」、「小論文」について、詳しく紹介させていただきます。
・観点別学習状況の評価

・5段階の評定

・個人面接
学習活動や学校に対する意欲・関心、一般常識などが問われます。
・集団討論
テーマを設け、5~6人のグループで意見を出し、受験生動詞で話し合いを進めます。意見を多く述べる方が良いのか、各々の意見のまとめ役が良いのかは、各高校の求める生徒像により異なるため、各高校が掲げている「本校の期待する生徒の姿」を参考にして臨むことをお勧めします。
・小論文
ある文章を読んで、その全体または一部について自分の考えを論述します。
・作文
与えられた題名をもとに、作文を書きます。(自由に書かせる場合もあります)。
・自己PRカード
各高校が掲げている「本校の期待する生徒の姿」を参考にして、記入する必要があります。
※具体的な集団討論や小論文、作文のテーマにつきましては、8月頃に昨年度の問題が発表されるので、それを参考にするのがよいでしょう。
2-3.文化・スポーツ等特別推薦
各校の教育方針や特色に基づいて各校があらかじめ定めた選抜方法によって選抜するのが「文化・スポーツ等特別推薦」です。面接・実技検査等で総合的に判断されます。特別推薦では一定の基準に達していなければ、志願者が募集人員に足りていない場合でも、不合格となります。
2-4.理数等特別推薦
科学分野等に高い興味・関心を持ち、研究活動などの創造的な活動に意欲的である生徒が求められます。他2つの推薦形式と違い、個人面接だけでなく口頭試問が実施されます。こちらの点数が200点~250点(1000点満点中)と、比重も高いため、きちんと対策をしておく必要があります。
※2025年度現在、こちらの推薦入試制度は、立川高校創造理数科、科学技術高校創造理数科のみでの実施となります。
3.一般入試
都立高校の一般入試では、学力検査点と調査書点の合計(1000点)に英語スピーキングテスト[ESAT-J]の結果(20点)を加えた総合得点(1020点満点)が高い順に選抜されます。面接や実技を実施する学校では、それらの得点も加味した総合成績順に選抜されます。全日制課程の場合、原則として学力検査点は700点、調査書点は300点です。(3教科入試の学校は学力検査点600点、調査書点400点)
※面接や実技等は、エンカレッジスクール及び、定時制高校等での実施に限ります。
3-1.換算内申
・5科目(国数英社理)入試の場合
3年生の9科目の成績を5段階で評価します。
5教科評定合計(25点満点)×1+4教科評定合計×2(40点満点)=65点満点
・3科目(国数英)入試の場合
3年生の学力検査を実施しない教科(社理音美体技・家)の内申を2倍して算出します。
3教科評定合計(15点満点)×1+6教科評定合計×2(60点満点)=75点満点
3-2.調査書
上記で算出した換算内申を300点満点または400点満点に拡大します。
・5科目(国数英社理)入試の場合

・3科目(国数英)入試の場合

3-3.学力検査
学力検査は5教科(国語・数学・英語・社会・理科)または3教科(国語・数学・英語)で、各教科100点満点です。合計点を700点満点または600点満点に拡大した数値が学力検査点となります。
・5科目(国数英社理)入試の場合

・3科目(国数英)入試の場合

3-4.入試問題の概要
入試問題は基本的には全校共通ですが、国・数・英の3教科を独自の問題で行う自校作成問題実施校もあります。

・共通問題について
都立高校入試科目の5教科(国語・数学・英語・理科・社会)の出題傾向は10年以上大きな変化はありません。過去問題集を何度も解くことによって、点数が確実に上昇します。以下出題傾向の概要となります。
英語
大問4問構成。大問1はリスニング、大問2は短い文章読解(英作文を含む)、大問3は対話文の読解、大問4は物語文の読解となっています。リスニング対策が少ない中学校教育に対して、リスニング問題の20点と配点が大きいのが特徴です。また、単文での文法問題が一切存在しないのも、都立高校入試問題の特徴となります。
数学
大問5問構成。大問1は基本計算(作図を含む)、大問2は文字式を用いた証明、大問3は関数、大問4は平面図形(図形の証明を含む)、大問5は空間図形を扱った問題となっています。大問1の基本計算の配点が46点と高く、その他の大問との難易度の差が大きいのが数学の特徴です。簡単な問題でのミスが失点に大きく影響してしまいます。
国語
大問5問構成。大問1は漢字の読み、大問2は漢字の書き、大問3は文学的文章、大問4は説明的文章(作文を含む)、大問5は古典的文章となっています。漢字の配点が20点あり、他の公立入試と比べて高いのが特徴です。
理科
大問6問構成。大問1は小問集合、大問2は対話文を用いた問題、大問3~6は4分野(生物・地理・化学・物理)の実験を用いた問題となっています。各分野幅広く出題され、範囲を絞らずに勉強する必要があります。また、問題の文章量が多いので、制限時間内に全ての問題を解ききるためには訓練が必要となります。知識量はもちろんのこと、与えられた情報の中から必要な情報を判別する力が得点を大きく左右します。
社会
大問6問構成。大問1が小問集合、大問2・3は地理分野(世界地理・日本地理)、大問4が歴史分野、大問5が公民分野(政治又は経済)、大問6が総合問題となっています。考察による記述問題が20点あり、その場で情報を読み解く力、またそれを文章にできる力が求められます。難化が激しく、特に地理では、かなりの知識量が求められます。
3-5. 英語スピーキングテスト
11月に実施される中学校英語スピーキングテスト[ESAT-J]の結果(A~Fの6段階)を下記のように20点満点で点数化します。

調査書点、学力検査点、英語スピーキングテスト点を合計したものが、各高校の定める合格点に達しているかで合否が判定されます。
3-6. 代表例(豊島高校の場合)
豊島高校(5科目入試、学力検査満点は700点、調査書満点は300点)の2026年度の合格点(合格可能性60%の目安)は735点(1000点満点)となっております。
・成績

・換算内申
20(5科目合計)×1+16(3科目合計)×2=52点(65点満点)
・調査書点

・当日必要な点数
735(合格目安点)―240=495点(700点満点)

以上より、5科目合計で353点が必要となり、1科目あたり約70点以上必要となります。
しかしながら、こちらが合格可能性60%の目安なので、安心して合格するには、1科目あたり75~80点ほどの点数が必要となります。
(※なお、こちらの点数に英語スピーキングテスト点は加算されておりません。)
3-7. その他の制度
・分割募集
あらかじめ募集人員を前期と後期の2階に分けて選抜を行う制度を「分割募集」といいます。分割前期募集は第一次募集と同じ日程、分割後期募集は第二次募集と同じ日程で行われます。
・2次募集
東京都では、公立高校の一般入試の発表後、定員割れなどの理由で一部の高校が2次募集を実施します。詳しい情報は、一般入試発表後に公表されます。
4.志望校の決め方
4-1.学校見学会や個別相談会
志望校を決める際は、校風や受験情報を知るためにも「学校見学会」や「入試説明会」、「個別相談会」への参加がおすすめです。「学校見学会」に参加することで、まずその高校に対するしっかりとした印象を持つことができます。その上で、現状の到達度や合格するために必要なことを学ぶために、気になった高校の「入試説明会」や「個別相談会」をお薦めいたします。
4-2.私立の併願校について
公立高校が第一志望の場合は、安全に進学先を確保するためにも私立の併願校を受験することをお薦めいたします。私立を選ぶときは偏差値だけではなく、校風などをよく考え、自分が行きたい併願校を選びましょう。万が一、都立高校が不合格だった際に後悔を生む結果となります。併願推薦の詳細は、私立高校のご紹介の際にお話しさせていただけたらと思います。
4-3.都立高校を併願校とする危険性
私立高校を第一志望にする方において、都立高校を第二志望として出願することはプレッシャーがかかりかなり危険です。入試問題も都立高校入試特有の形式も多く、私立高校と都立高校の対策を並行して進めることは、お子様に大きな負担となってしまいます。私立高校を第一志望にした場合は、第二志望においても私立高校を受験することをお勧めします。
5.キーワード
5-1.観点別学習状況
各教科に設定された、いくつかのテーマについて、3段階評価で調査書に記入されます。観点別学習状況の内容の合否も決める資料として活用する学校もあるので、日ごろの学習の取り組みも怠らないようにしよう。
5-2.学校説明会
学校を知るために、欠かせない催しです。受験生や保護者、塾の先生などを対象に実施されます。説明される内容は学校の教育方針、カリキュラム・年間行事・部活動状況などの学校生活、卒業生の進路状況、入試の出願方針などが一般的です。もちろん、質問の時間も用意されています。学校の内容がわかるほか、学校近くの様子、通学路、通学時間も確認できる。日程を調べて、ぜひ参加しましょう。参加にあたっての事前申込みの有無は学校によって異なっています。また、学校説明会のあとに、学校見学や授業見学、体験入学が行われていることもあります。初夏から冬にかけて実施されることが多く、学校によっては複数日、設けられている所もあります。検討している学校の開催日を事前に調べて、スケジュールをうまく立てて、できる限り参加しましょう。
6.まとめ
以上が都立高校入試の仕組みについての説明になります。推薦入試のみならず、一般入試でも、かなり複雑な仕組みなっております。また、本記事で紹介しきれませんでしたが、入試日程や倍率等によって、入試直前に志望校について、ご相談いただく事が多くなっております。そちらの日程や倍率、また私立高校の仕組みについては別記事にて、紹介させていただきますので、お待ちください。
お早目に知りたい方は、ぜひお気軽に彩希塾までお問い合わせください。
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執筆者プロフィール
彩希塾 塾長
中村 義敬
学生時代より、大手個別指導塾や集団指導塾において指 導経験を積み重ねてきた。 その過程で、双方の指導形態における長所と短所を深く 理解しつつ、常に理想的な授業の在り方を模索してきた。 現在は、それらの経験を基盤とし、個別指導と集団指導 の利点を融合させた独自の指導スタイルを実践。生徒一 人ひとりの学びを最大限に引き出すことを目指している。
監修者プロフィール
彩希塾 講師
矢田 翔大
アルバイト時代から15年以上にわたり教育指導に携わり、国語・数学・英語・理科・社会の主要科目を幅広く指導してきた。
自身の国公立大学受験の経験から、多科目を効率的に学ぶ難しさを理解しており、その体験を踏まえて、生徒がすべての科目をバランスよく学習できる指導を実践している。






